2025-02-14 18:40:58
製造工程管理
そもそもWMSこと倉庫管理システムとは、物流センターにおける一連の作業、在庫管理や棚卸、帳票の発行などを効率化し、一元的に管理するソフトウェアのことです。最近では在庫のリアルタイム管理を実現するタイプのWMSが増えており、導入によってヒューマンエラーの減少や生産性向上効果が期待できます。
WMSにはオーダーメード型やパッケージ型、部分型などの種類が存在しており、価格帯もさまざまです。そのため、事前の情報がないと、自社に最適なタイプを判断するのが難しい場合もあります。

WMSには、以下のように主に4つの機能が搭載されています。
入荷管理
出荷管理
在庫管理
棚卸管理
それぞれの機能の詳細は、以下のとおりです。
代表的な機能のひとつが、入荷管理です。そもそも入荷管理とは、納品元から倉庫に届いた商品について、品番や数量などが正しいか確認する作業を指します。
WMSの場合、取引先からの入荷予定情報を受信し、情報を取り込むことで実施しますが、入荷予定の情報が記載されているフォーマットはさまざまです。取り込んだ情報に問題があると、照会や訂正を行う機能が搭載されているものもあります。
また、入荷管理にはロケーション管理が含まれるケースも少なくありません。ロケーション管理とは、在庫が倉庫内のどこに配置されているかを把握するための作業です。
商品のバーコードを読み取ることで、同じ商品が現在どこで保管されているのか、ハンディターミナルやスマートフォン、タブレットで確認できるWMSもあります。
出荷管理も、WMSの主な機能のひとつです。出荷管理とは、読んで字のごとく取引先から受けた注文について、正しく出荷、および納品が行われているかチェックする業務を指します。具体的な業務内容として、出荷指示書の作成をはじめ、帳簿の記帳や受領書の管理などが挙げられます。
WMSを採用すると、これらの業務に必要なデータを一元化したうえで、商品の注文を受けるとステータスが出荷予定に変更されます。さらに、先入れ先出し順で在庫引当を行い、ピッキング指示を作業者に伝えるため、スムーズに作業を進めることが可能です。
フリーロケーション運用の場合、在庫引当の実施によってピッキング作業の効率化が目指せます。
在庫管理も、WMSにおいて欠かせない機能のひとつです。在庫管理とは、企業が有している在庫を最適な状態、かつ最適な量に管理する業務を指します。
在庫管理が徹底されていない場合、商機を逃したり、過剰発注してしまい大量に売れ残りが発生したりするなどして、業績に悪影響が出る可能性も否定できません。在庫管理によって、取引先が必要としている量の商品を、必要なタイミングで供給することが可能です。
適切に在庫管理を行えば、生産性の向上やキャッシュフローの改善効果が期待できます。WMSの場合、在庫の場所や数、製造年月日、消費期限などの情報を一元管理できるため、在庫がどこにあり、期限はいつまでか把握しやすいです。
WMSのなかには、在庫情報を照会し、CSV形式でダウンロードや一覧を印刷するものもあります。
棚卸管理とは、企業が有している商品や原材料の在庫をチェックし、品質や状態に問題がないか調べる作業です。当然ですが、抱えている在庫が多くなると、比例して必要な作業量も増えます。
WMSの棚卸管理システムを活用すれば、棚卸データの作成をはじめ、棚卸報告や差異リストの作成などを効率的に行うことが可能です。また、WMSのなかには、当日の荷動きがあった商品のみで棚卸データを作成できるものもあります。
こちらの記事では、品質管理について解説しています。品質保証との違いや手法・効率化のポイントも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

WMSは物流関連の業務を効率化してくれる便利な存在ですが、ほかのシステムとの違いをよく理解していない方も多いです。以下では、WMSと主なシステムとの違いについて解説します。
WMSと混同されやすいシステムの代表として、基幹システムの名前が挙げられます。基幹システムとは、生産や販売など、その企業における基幹業務を支援するシステムのことです。
企業が生産性を高めつつ成長するために必要不可欠な存在であり、WMSもある意味では基幹業務の支援をしていますが、両者は運用目的が異なります。基幹システムは情報を一元管理することで企業経営に活かすのが目的ですが、WMSは倉庫内作業の管理が目的です。
たとえば、基幹システムでも在庫管理は行えますが、大まかな在庫管理しかできません。しかし、WMSを用いることで、正確に在庫を把握できます。
在庫管理システムとは、読んで字のごとく在庫情報を管理するシステムのことです。これだけ聞くと、WMSと同じシステムではないのかと考える方もいるでしょう。
しかし、両者には明確な違いが存在します。それは、在庫管理の範囲です。
在庫管理システムは、倉庫内のみならず倉庫外の在庫情報も管理するシステムで、具体的には倉庫内にある資材の配置や人員の配分を考え、倉庫の効率化を図ります。
一方でWMSは、倉庫内の在庫情報のみ管理することで適切な在庫量を維持し、企業の利益の最大化を目指すシステムです。
配送管理システムとは、その名のとおり荷物の配送状況を把握するためのシステムです。TMSとも呼ばれており、WMSでは行っていない業務を遂行するために、以下の3つの機能が搭載されています。
配車管理
進捗管理
実績管理
配車管理とは、出荷をする際に必要なトラックを手配したり、効率的な荷物の配送計画を立てたりする機能です。最近では、AIを用いて配車手配を行うシステムも登場しています。
進捗管理は、出荷した荷物の状態や現在地などを把握できる機能です。到着予定時刻がわかるだけでなく、交通状況を共有することで渋滞を回避できます。
実績管理は、荷物の配送が完了するとその実績をシステム上に記録し、保存する機能です。配送実績を適切に管理することで、トラブル対応をスムーズに行えます。
WCS(倉庫制御システム)とは、倉庫内の各種機器や設備をコントロールするシステムです。たとえば、大きな荷物を運ぶとき、無人搬送車や自動フォークリフト、ロボットアームなどを活用します。これらの機器をWCSで制御することで、運搬作業の負担を軽減できます。
そのほかにも、コンベアから流れてくる荷物の仕分け、自動倉庫設備の制御なども可能です。倉庫管理システムはあくまで在庫を管理するための存在であり、使用目的がまったく異なるため、混同しないようにしましょう。
倉庫運用管理システムとは、倉庫内で扱っている荷物のみならず、人材や機器を制御し、物流を最適化するためのシステムです。在庫の管理機能や設備、従業員に指示を出す制御機能が備わっており、円滑な業務遂行の手助けをしてくれます。
WMSが倉庫内の荷物の管理に重きを置いているのに対して、倉庫運用管理システムは倉庫内の運用に重きを置いているのが特徴です。わからない場合は、WMSと倉庫制御システムの中間のようなシステムという認識でも問題ありません。
WMSの導入によって、企業側はさまざまなメリットを享受できます。WMSがもたらしてくれる主なメリットは、以下のとおりです。
主なメリットの1つとして、作業を標準化できる点が挙げられます。作業の標準化とは、作業の手順を整理し、ルールに沿って業務を進められるようにすることです。作業の標準化をすると、従業員の誰もが同じ作業をしても同じ成果を出せるようになるため、安定した品質を保てるようになります。
また、作業の標準化によって、業務の属人化問題の解決も可能です。属人化とは、特定の業務において、特定の個人しか行えなかったり、詳細を把握できていなかったりする状態を指します。
属人化が進んでしまうと、特定の個人が不在のとき業務が滞ってしまい、全体の工程に深刻な影響を与えかねません。しかし、作業の標準化を行えば、特定の個人がいない状態でも代理で作業を進められるようになります。
リアルタイムで状況を把握できるようになる点も、WMSの導入によってもたらされるメリットとして挙げられます。物流関連の業務において、扱っている商品が現在どのような状態にあるのか把握するのは重要です。
もし商品の在庫が十分残っているにもかかわらず、不適切な発注を行うと、在庫の保管コストがかかる、商品の価格の低下を招くなど、さまざまな問題につながりかねません。しかし、WMSを導入すれば、リアルタイムで在庫の状態を確認できるため、適切な在庫管理ができるようになります。
人為的ミスを減らせるのも、WMSの導入によってもたらされるメリットのひとつです。業務に人が関わる場合、人為的ミスの発生は避けてとおれません。とくに倉庫における業務は単純作業が多く、業務に慣れてくると注意力が散漫になってしまい、ミスが発生する可能性が高くなります。
WMSによって単純作業をはじめとする業務を自動化できれば、ミスの発生を防ぐことが可能です。また、万が一トラブルが発生してもシステム側が検知して報告してくれるため、ミスを見逃すリスクも減らせます。
WMSの導入によって、倉庫内のスペースの節約が可能です。倉庫のスペースは限られており、商品の発注数を適切に管理できなければ、すぐにスペースがなくなってしまいます。
スペースがなくなれば、当然ほかの商品の発注ができなくなるため、追加で倉庫を用意する必要がありますが、その分お金がかかってしまい、経済的とはいえません。WMSを導入し、在庫情報を正確に把握できるようになれば、倉庫内に余計な在庫を抱えずにすみます。
コストの削減も、WMSの導入によってもたらされるメリットのひとつです。具体的には、人材コストの削減ができます。
WMSを導入すれば、倉庫の在庫管理に関する各種業務をある程度自動化できるため、従来よりも少ない従業員の数で業務を進めることが可能です。また、WMSには作業を標準化する効果も期待できるため、新人やアルバイト、パートなど、コストがかからない人材に仕事を任せられるようになります。
作業の標準化をはじめ、WMSの導入にはさまざまなメリットが存在しますが、もちろん考慮すべきデメリットも存在します。主なWMSのデメリットの一覧は、以下のとおりです。
WMSのデメリットとして、導入コストの高さが挙げられます。WMSに限った話ではありませんが、新しいシステムを現場に導入する場合、初期費用を用意しなければなりません。
たとえば、特定のソフトウェアでしか扱えないシステムの場合、そのソフトウェアや周辺機器を新しく揃える必要があります。また、導入するときのみならず、導入後にもランニングコストをはじめ、さまざまなお金がかかる点も頭に入れておかなければなりません。
これらの費用は、とくに中小企業にとって大きな負担になることも多いため、導入の際はどの程度まで予算を用意できるかまで考慮しましょう。
システム改修が必要になるのも、見過ごせないWMSのデメリットです。WMSを導入するにあたって、基幹システムとのデータ連携をはじめ、さまざまな改修を実施しなければなりません。
とくに複数部門のデータを一元化する場合は、部門ごとにデータの保存形式が異なっていると、一元化に想定以上の時間がかかってしまうケースもあります。また、システム改修の過程で、システムの改修コストがかかってしまう点もデメリットです。
なお、既存のシステムに合わせたWMSを採用すれば、改修の手間やコストを削減できる可能性があるため、新システムの選定は慎重に行いましょう。
教育やマニュアルが必要になる点も、WMSのデメリットとして挙げられます。新しいシステムを採用するにあたって、従業員の教育やマニュアルは必要不可欠です。
しかし、従業員に新しい知識やスキルを習得させるのは、簡単ではありません。企業によっては、そもそも従業員を教育したり、マニュアルを作成したりできる人的リソースがない、またはあっても余裕がないケースもあります。
その場合、外部から従業員の教育ができる人材を一時的に雇用する方法もありますが、コストがかかってしまう点が難点です。これらの問題は、比較的初見でも扱いやすいシステムや、サポート体制が整っているシステムを選ぶことである程度解決できます。
WMSが便利なことはわかったものの、実際に使用しているイメージまで湧かない方もいるでしょう。以下では、業界別にWMSの使用例を紹介します。WMSの導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
製造業では、倉庫内の在庫と生産ラインを統合することで、材料の受け入れや在庫管理、そして生産ラインへの供給などを管理しています。生産計画との連携や在庫最適化が進むため、生産効率と納期遵守を向上させることが可能です。
WMSが活躍する業界として、真っ先に名前が挙がるのが物流業でしょう。物流業において倉庫管理の重要性が高く、適切に商品や荷物を管理できなければ業務の質が下がりかねません。
物流業界では、WMSは主に倉庫の受発注業務や出荷業務の効率化のために使用されています。受発注や出荷業務がスムーズにこなせれば、商品や荷物を注文者のもとへ迅速に届けることが可能です。
小売業とは、卸売業者から仕入れた商品を、消費者に直接販売する業務形態のことです。具体的には、スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどが該当します。
WMSは、小売業において在庫の管理や受発注、出荷業務の効率化のために用いるのが一般的です。これらの業務をWMSに任せることで、無駄な受発注を減らす効果が期待できます。
食品業でも、WMSは活躍しています。食品を扱う業界において、品質管理は非常に重要です。食品の品質を保てなければ、消費者の舌を満足させられないのはもちろん、最悪の場合消費者の健康に深刻な影響をもたらす可能性も否定できません。
WMSを用いて重要なロット情報や消費期限の管理を行うことで、食品の安全と品質を確保しています。
医薬品業とは、読んで字のごとく医薬品の研究や製造、販売などを手がける業界です。医薬品業も、食品業と同じく扱っている商品の品質管理にとくに気を配っている業界のひとつとして知られています。
医薬品業において、WMSは医薬品のバッチ情報やシリアル番号などの追跡を行う際に活躍してくれる存在です。
EC業とは、オンライン上で商品やサービスの売買を行うビジネスのことで、電子商取引業とも呼ばれます。WMSはEC業において正確な在庫管理とスピーディーな倉庫作業を実現するために必要不可欠な存在です。

WMSが持つポテンシャルを発揮してもらうためには、数あるWMSのなかから自社の実態に適したものを選択する必要があります。しかし、昨今はさまざまなWMSが登場しており、どれを選択すればよいかわからなくなる方も少なくありません。
以下では、WMSを選ぶ際に押さえるべきポイントについて解説します。
まずは、WMSの提供形態を必ず確認してください。WMSと一口にいっても、製品として完成した状態で販売されているパッケージ型やクラウドサーバー上にあるシステムを使用するクラウド型、自社サーバーを用意してシステムを運用するオンプレミス型など、さまざまな提供形態が存在します。
それぞれの提供形態は異なるメリットやデメリットを有しており、一概にどの提供形態がよいと断言することはできません。そのため、提供形態ごとにどのようなメリットとデメリットがあるか把握したうえで、どのWMSを使用するか決定するようにしましょう。
必要な機能が搭載されているか否かも、必ずチェックしましょう。昨今はさまざまなメーカーからWMSが提供されていますが、在庫管理機能以外にも、それぞれ異なる機能が搭載されています。
もし高い費用をかけてWMSを導入しても、機能が足りず自社が求めている役割を果たしてくれなければ、導入した意味がありません。新しく必要な機能が搭載されているWMSを導入するにしても、さらに追加のコストをかける必要があります。
そのため、事前に自社がWMSにどのような役割を求めているか明確にしたうえで、必要な機能を有したWMSを選択しましょう。
外部システムと連携できるか否かも、WMSの重要な選定ポイントの1つです。WMSを導入するにあたって、外部システムとの連携が課題になるケースは少なくありません。
外部システムとの連携ができない場合、WMSと連携できる環境を新しく構築する必要がありますが、そのためには時間も手間もかかります。しかし、外部システムと連携できれば、導入から運用までの工程をスムーズに進めることが可能です。
WMSを選ぶ際は、操作性もチェックしましょう。WMSに限った話ではありませんが、新しく導入したシステムの操作性が悪いと、現場の従業員の作業効率に大きな影響を与えます。
作業効率に問題が発生したことで従業員のモチベーションが下がってしまうと、さらに状況が悪化する可能性も否定できません。そのため、可能であれば無料トライアルを行い、実際の使用感を確認しておきましょう。
無料トライアルがなければ、利用者の口コミを調べるとよいですが、オンライン上には企業側が雇ったサクラが書き込んだよい口コミもあるため、注意が必要です。
WMSを選定する際は、サポートが充実しているか否かも確認してください。新しいシステムを導入したばかりの時期は、さまざまなトラブルが発生するものです。
簡易なトラブルであればスムーズに対応できるかもしれませんが、場合によっては有識者以外には解決が難しいトラブルが発生する可能性もあります。そのため、定期的なシステムアップデートをはじめ、どのようなサポートをユーザーに提供しているか、必ずチェックしておきましょう。
また、グローバルに展開している企業の場合は、言語対応やサポートの可用性も重視するのをおすすめします。
新しいシステムを導入する場合、セキュリティ対策にも気を配りましょう。WMSの提供形態によっては、インターネットを経由して情報のやり取りをしますが、その際情報が漏洩したり、不正に取得されたりするリスクがあります。
情報の漏洩や不正取得が発生した場合、当然ですが情報漏洩した企業側が責任を負わなければなりません。そのため、サーバーが高度な暗号化技術で保護されているか、定期的にデータのバックアップを行っているかなど、十分なセキュリティ対策が行われているか必ず確認してください。
以上、WMSの概要をはじめ、メリットやデメリット、導入する際のポイントなどについて取り上げてきました。WMSは在庫や受発注の管理など、倉庫管理のさまざまな工程をサポートしてくれる存在です。
自社に適したものを導入できれば、作業効率を高めつつ、コストの削減も目指せます。ただし、初期費用やシステム改修の手間など、無視できないデメリットも複数あるため、よく話し合ってから導入するか否か決定しましょう。
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