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品質管理とは?品質保証との違いや手法・効率化のポイントを解説

2025-02-14

品質管理は製品やサービスの品質水準を維持・向上させるための組織的な活動のことです。この記事では、PDCAサイクルやQC7つ道具など、具体的な手法や効率化のポイントを解説します。

品質管理とは

品質管理とは、製品やサービスに求められる品質水準を維持するために行う、組織的な活動のことです。具体的には、原材料や品質のチェック、出荷前の最終確認まで多方面にわたって品質を管理します。

高い品質を維持し続けることで顧客満足度を向上させ、企業の信頼性を高められます。以下では、品質管理の重要性と品質保証の違いについて解説します。

品質管理の重要性

企業での品質管理が重要視される理由は、主に3つあります。1つ目は、顧客満足を向上させるためです。高品質な製品やサービスを安定的に提供することで、顧客からの信頼を得て、継続的な取引関係を築けます。

一方で、品質管理が不十分な場合、不良品が発生したり納期が遅延したりするなどの問題が発生し、顧客からの信頼を失うことにもなりかねません。顧客満足度の高い製品は、リピート購入や口コミなどを通じて、企業の成長をもたらすことにつながります。

2つ目は、ブランドイメージを向上させるためです。高品質な製品を継続的に提供することは、企業の信頼性を高めます。また、品質管理への真摯な取り組みは、企業の社会的責任(CSR)を遂行するという観点からも重要な意味をもっています。

3つ目は、コスト削減効果が期待できるためです。品質のばらつきや不良品の流通を未然に防ぐことで、材料のロスや手直し作業を減らせます。このように品質管理には、企業経営における重要な要素が含まれています。

品質保証との違い

品質管理と品質保証は、密接な関係にありながらも、その目的や活動範囲に違いがあります。

品質管理は、製品の製造過程における品質の維持・改善を行う活動全般のことです。具体的な業務としては、品質目標の設定から品質データの収集・分析、工程管理などがあります。その活動範囲は生産から出荷までの工程に限定されており、製造現場における品質の作り込みに重点を置いています。

一方で、品質保証は製品の品質が要求水準を満たしているかを保証する活動です。品質方針の策定や品質マニュアルの整備、監査の実施など組織全体での品質への取り組みを確立・証明することが求められます。

たとえば「ISO9001」などの国際規格の取得も、品質保証活動の一環です。品質保証の活動範囲は、製品の企画から販売後のアフターサービスまでを含む広範なものとなっています。

このように品質管理が製造段階における「作り手視点」の活動であるのに対し、品質保証は製品に対する「買い手視点」の活動といえます。

品質管理の業務内容

品質管理とは?品質保証との違いや手法・効率化のポイントを解説【品質管理の業務内容】

品質管理の業務は、工程管理・品質検証・品質改善の3つから構成されています。この3つの活動を通じて製品品質の維持・向上を図り、生産効率の改善やコスト削減につなげます。以下では、それぞれの具体的な取り組み内容について詳しく解説します。

工程管理

工程管理は、製品の品質を維持し、生産効率を上げるための基盤となるものです。その内容は大きく4つの要素で構成されています。

1つ目は、作業手順を標準化することです。製造工程における作業の手順を明確にし、作業マニュアルとして文書化します。これにより、作業者や場所が変わっても一定の品質を維持できます。

2つ目は、人材育成です。品質を維持するためには、作業者の高い技能が欠かせません。そのため、研修プログラムやOJT(On the Job Training)を通じて、品質管理に必要な知識と技術を習得させます。また、作業マニュアルの内容を十分に理解させ、実践できるよう教育することも重要です。

3つ目は、設備管理です。設備の性能が十分に発揮されなければ、どんなに優れたマニュアルや高度な技術をもつ作業者がいたとしても、品質を維持できません。設備を定期的に点検し管理することで、設備が原因となる品質トラブルを未然に防ぎます。

4つ目は、工程の監視と管理です。QC工程表を活用し、各工程での管理項目や管理方法を明確にすることで不適合の発生を防止します。これらの要素が適切に機能すると、安定した品質の製品を生産できます。

品質検証

品質検証は、製品の品質を確実に保証するための重要な工程であり、大きく3つの段階に分けて検査を行います。

1つ目は、受け入れ検査です。外部から仕入れた原材料や部品の品質を確認する工程で、製造開始前に不良品を排除することが目的です。

品質基準を満たさない原材料が生産工程に混入すると、最終製品の品質に重大な影響を及ぼす可能性が高いため、この段階での品質チェックはとくに重要となります。

2つ目は、工程内検査です。製造工程の途中で定期的に品質チェックを実施することで、不適合品の早期発見と対策が可能となります。

具体的には、外観の検査による傷やへこみのチェック、動作確認や耐久性のテストの実施などが挙げられます。近年では、AIによる画像認識技術を活用した検査システムの導入も進んでおり、検査精度の向上と効率化が図られています。

3つ目は、最終検査(出荷検査)です。この検査は製品の出荷前に、すべての要求事項を満たしているかを確認するものです。全数検査や抜き取り検査などの手法を用いて、製品の品質を最終的に検査します。

これらの品質検証プロセスを確実に実施することで、顧客の要求する品質水準を満たす製品を安定的に供給できます。

品質改善

品質改善は、製品に不良や不具合が起きた際、原因を突き止めて再発を防止する活動のことです。主に「再発防止」と「未然防止」の2つを実施します。

再発防止は、発生した品質問題の原因を特定し、同様の問題が二度と起きないようにする取り組みです。多くの企業では、QCストーリーと呼ばれる体系的な問題解決プロセスを活用します。

このプロセスは、問題点を整理してテーマを選定し、現状確認や目標設定を行います。そして原因を分析して対策を実施し、対策の効果を確認した後、最後に標準化するというものです。

また、品質改善の活動は自社内に留まらず、原材料や部品の調達先にも展開されます。品質問題が発生した場合は取引先との協力のもと、再発防止策の立案と実施が求められます。

一方で、未然防止は将来起こり得る品質問題を事前に予測し、その発生を防ぐ取り組みです。この活動では、FMEA(Failure Mode and Effect Analysis)という手法が広く活用されています。

FMEAは、製品設計や製造プロセスに潜在するリスクを分析し、重要度の高いリスクから優先的に対策を講じることで、品質問題の発生を未然に防ぐものです。

これらの品質改善活動を通じて製品品質の向上だけでなく、生産性の向上やコスト削減といった効果も期待できます。

品質管理の手法

品質管理とは?品質保証との違いや手法・効率化のポイントを解説【品質管理の手法】

製造業における品質管理では、さまざまな手法や考え方が活用されています。以下では、代表的な品質管理手法について解説します。

PDCAサイクル

PDCAサイクルとは、計画(Plan)・実施(Do)・評価(Check)・改善(Action)という4つのプロセスを循環的に実施することで、継続的な品質改善を図る方法です。

まず、計画(Plan)の段階では過去の実績データや将来予測にもとづいて具体的な業務計画や目標を設定し、この計画に沿って実施(Do)段階で実際の業務を遂行します。

続く評価(Check)の段階では、業務が計画通りに進められているか、目標は達成されているかを詳細に確認します。そして、改善(Action)段階では評価で明らかになった課題や問題点に対して、適切な改善策を講じるという流れです。

このサイクルを継続的に繰り返すことで、業務プロセスは徐々に改善され、より高い品質水準を実現できます。PDCAサイクルの特徴は一度の実施で終わるのではなく、常に改善できる点を見出しさらなる向上を目指すところにあります。

QC7つ道具

QC7つ道具は、製造現場で発生する品質問題を解決するための7つの分析ツールです。統計的な手法を用いて問題を「見える化」し、的確な改善につなげます。

1つ目は、データの傾向を分かりやすく表現する「グラフ」です。特性に応じてグループ分けを行い、データの内訳をチェックできます。2つ目の「チェックシート」は、品質データを正確に収集・記録するための表で、確実に品質をチェックすることが可能です。

3つ目の「パレート図」は、問題の重要度を示すグラフで、どの課題から取り組むべきかの優先順位付けに役立ちます。4つ目の「ヒストグラム」は、区分ごとのデータを集計し、どのように分布されているかを分析するためのグラフです。

5つ目の「特性要因図」は、品質問題の結果と要因を整理し、根本的な要因を特定するのに活用されます。6つ目の「散布図」は、2つの要素の関連性を調べるためのグラフで、品質に影響をあたえる要因との関係性を把握するのに使用します。7つ目の「管理図」は、製造工程を時系列で監視するためのグラフで、各工程の異常を確認できます。

これら7つの道具を効果的に組み合わせることで、品質問題の発見から解決まで、より確実に進められます。それぞれのツールには特徴があり、状況に応じて使い分けることが重要です。

IE(Industrial Engineering)

IE(Industrial Engineering)は、経営資源を最適に活用して作業の無駄を排除することで、生産性の向上を図る方法です。

IEの中核となるのは「方法研究」と「作業測定」という2つの分析手法です。方法研究では現在の作業方法を詳細に分析し、より効率的な方法を見出すことを目指します。たとえば、作業者の動線を見直したり、材料や製品の移動・運搬を最適化したりすることで、作業効率を高めます。

一方で、作業測定は実際の作業時間を計測して数値化することで、客観的に分析することが可能です。この分析により、作業の無駄や改善すべきポイントを明確にし、適切な作業標準時間を設定できます。

TQC(Total Quality Control)

TQC(Total Quality Control)は、企業全体で取り組む総合的な品質管理活動です。日本産業標準調査会(JISC)では、TQCを「品質管理に関するさまざまな手法を総合的かつ全社的に展開して適用し従業員の総力を結集してその企業の実力向上を目指すもの」と定義しています。

※出典元:日本産業標準調査会「JISC関係用語と略語集」(https://www.jisc.go.jp/dictionary/

この考え方にもとづき、各部門が個別に活動するのではなく、組織全体で品質管理の目標を共有し、統一された方針のもとで改善活動を進めます。

TQCを導入することにより、製品やサービスの品質向上やコスト削減はもちろん、従業員の品質管理能力の向上、顧客視点に立った改善活動の定着などの効果が期待できます。とくに、部門間の壁を越えた協力体制の構築は、企業全体の競争力を向上させる重要な要素となっています。

TQM(Total Quality Management)

TQM(Total Quality Management)は、組織全体で取り組む総合的な品質経営の手法です。トップマネジメントのリーダーシップのもと、経営層から現場の従業員まで、全員が一丸となって品質向上に取り組みむもので、日本産業標準調査会(JISC)では「TQCを発展させた業務・経営全体の品質向上管理」と定義しています。


※出典元:日本産業標準調査会「JISC関係用語と略語集」(https://www.jisc.go.jp/dictionary/

TQMの考え方は、従来のTQCから進化したものです。TQCが現場主導の品質管理活動であったのに対し、TQMではトップダウンの方針にもとづいて組織全体で品質管理を推進します。

また、品質管理の対象も製品の品質だけでなく、経営の質やサービス、業務プロセスなど、企業活動全般に広がっています。具体的な活動は新製品・新サービスの開発管理やプロセス保証、日常管理、方針管理などです。

このように、TQMは企業の総合的な経営品質の向上を目指す取り組みとして、多くの企業で実践されています。

SQC(Statistical Quality Control)

SQC(Statistical Quality Control)は、統計的な手法を用いて品質管理を行うアプローチです。製品やサービスの品質に関するデータを科学的に収集・分析し、客観的な基準にもとづいて品質管理を実施します。

統計的手法を活用する最大の利点は、品質のばらつきに対する原因を把握できることです。製造工程ではさまざまな要因によって品質にばらつきが生じますが、SQCを用いることで、そのばらつきが偶然によるものか、特定の原因によるものかを明確に区別できます。

SQCを効果的に実践するためには、2つの重要な要素があります。1つ目は、状況に適した分析手法の選択です。製品特性や工程z特徴に応じて、最適な統計手法を選ぶ必要があります。

2つ目は、信頼性の高いデータの収集です。客観的なデータをもとに判断することで適切な分析や改善が可能となります。

このように、SQCは勘や経験だけに頼らないデータにもとづいた科学的な品質管理を可能にする手法として、多くの製造現場で活用されています。

5S

5Sとは、整理・整頓・清掃・清潔・しつけのことです。第1の「整理」では、職場にあるものを必要なものと不要なものに分類し、不要なものを取り除きます。第2の「整頓」では、必要なものを決められた場所に配置し、誰でもすぐに取り出せる状態をつくります。

第3の「清掃」で作業場の清掃と設備のメンテナンスを行い、第4の「清潔」は、前述の3つの活動を継続的に実施することで、職場環境の良好な状態を維持することです。

そして第5の「しつけ」は、これら4つの活動を確実に実施するために習慣化します。5Sの実践により作業の効率化や品質の改善、そしてコストの削減といった多面的な効果が期待できます。

4M

4Mは、品質管理における4つの基本要素を体系化した考え方です。「人(Man)」「機械(Machine)」「材料(Material)」「方法(Method)」の頭文字をとったもので、製造現場の品質管理を包括的に捉えるために活用されています。

「人」に関する要素では、作業員の教育や適切な配置が重要です。技能向上のための研修プログラムの実施や個々の能力に応じた作業配分により、作業効率の向上が期待できます。「機械」の観点からは、適切な設備の導入や配置、定期的なメンテナンスを通じて、安定した品質の確保を目指します。

「材料」は、必要な原材料を適切なタイミングで調達し、入念な検査を実施することです。「方法」では、標準作業手順書やマニュアルの整備により、誰が作業を行っても一定の品質を維持できる体制をつくります。これら4つの要素を満たすことで、製造現場における品質を適切に管理できます。

品質管理を効率化するには

品質管理とは?品質保証との違いや手法・効率化のポイントを解説【品質管理を効率化するには】

多くの製造業では、品質管理業務の効率化が重要な課題となっています。以下では、データの管理体制の整備や稼働データの見える化、作業の自動化など、効率的な品質管理を実現するための具体的な方法について解説します。

データの管理体制を整える

データの管理体制を整えるためには、データ品質チェックのルールを一元管理することが重要です。一元管理することで、データの種類や保存場所が異なっても、一貫した品質基準でチェックできます。

また、データ品質の監視を定型化・自動化することも大切です。データの取り込みや更新のタイミングで自動的にチェックを実施し、問題があれば速やかに対応できる仕組みをつくることで、継続的に品質管理を行えます。

さらに、クラウドシステムやAIなどのデジタル技術の活用も効果的です。データの収集から分析、共有まで品質管理の全プロセスを効率化し、より効果的に管理体制を整えられます。

稼働データを見える化する

製造現場の稼働データを効果的に活用するには、可視化することが大切です。具体的には、QC7つ道具などを用いてデータをグラフ化し、状況を分かりやすくします。

たとえば、平常時と異常時のデータをグラフで比較することで、問題点の特定や改善策の立案がしやすくなります。データの収集・分析は、最初の段階では手作業で測定・分析し、重要性の高いデータを見極めます。そして、定期的な確認が必要なものは、デジタルツールを活用しましょう。

作業を自動化する

人による作業は、個人の技量差により品質にばらつきが生じやすく、また疲労で集中力が低下している場合は不良品の見逃しなどが発生する可能性があります。そのため、近年では、AIやIoTなどのデジタル技術を活用した自動化が進んでいます。

検査工程を自動化したり、IoTセンサーから収集した稼働データをAIで分析したりすることで、異常の予兆検知や要因特定を行えるため便利です。

また、AIの画像処理技術を活用した外観検査システムの導入も進んでおり、人の目では見落としやすい微細な欠陥も高精度で検出できるようになっています。こうした自動化の推進により、品質管理の精度向上と効率化を同時に実現できます。

バリューテクノロジー株式会社では、loT可視化や分析ダッシュボードなどに利用できるデータ活用ツールFineReportを提供しています。さまざまなデータソースにも対応し、一元管理が可能です。ぜひご利用ください。

まとめ

以上、品質管理の基本的な考え方からTQC、TQM、SQCなどの具体的な手法、そして効率化に向けたポイントまで幅広く解説してきました。品質管理は、企業の競争力を左右する重要な要素です。

効率よく品質管理を行うためには、データの管理方法とデジタル技術の活用が鍵となります。ただし、デジタル技術を導入する際は、自社の現状に合わせた方法を選択することが重要です。

バリューテクノロジー株式会社では、データ分析やloT可視化などを含むさまざまな機能を集結させたデータ活用ツールFineReportを提供しています。

生産量の進捗や品質分析、機械稼働状況といったデータ分析だけでなく、現場部門の情報収集や各種ダッシュボードの表示など、企業にとって必要な業務の効率化を図る機能を、1つのライセンスでオールインワンに活用できます。

資料請求も承っておりますので、品質管理の効率化やデジタル化についてお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

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